6月/7月の採集記録②
こんにちは、ゆっきーです。
引き続き、6月の採集記録について書いていきます。
今回は結構ボリュームが多いです。
6月15日 神奈川県某漁港
この日は岸壁採集に行きました。
始発で家を出て、電車で1時間ほど揺られて漁港の最寄り駅に到着。
そこから漁港まで30分くらい歩きました。
到着。
前日に南風が吹いてくれていたおかげでこんな感じで流れ藻がたくさんありました。
岸壁採集の一つとして、これを片っ端から掬い上げるという『✨流れ藻ガチャ✨』と言われる採集方法があります。遊泳力の弱い魚などが身を置く場所として、ホンダワラを始めとする海藻の塊は格好の住処なので、これら流れ藻を網で掬い上げると様々な魚と出会うことができます。
採集成果
ハナオコゼ Histrio histrio
毎年岸壁採集の時期になると、浮いてる流れ藻の中にそこそこな確率で潜むようになるアンコウの仲間です。食い意地が張っており、流れ藻に隠れて通りかかった小魚を無差別に襲撃したりします。なんならキープバケツに入ってる別の個体のハナオコゼすら丸呑みするほどの貪欲さです。
友人はバゼルギウスって呼んでました。
イシダイ Oplegnathus fasciatus
イシガキダイ Oplegnathus punctatus
写真がブレブレで申し訳ない…………。
荒磯の王者として名高いこの魚たちですが、幼魚期は愛らしい姿をしています。流れ藻を拾い上げるとだいたい彼らが付いてくる。
ハシキンメ Gephyroberyx darwinii
「なぜ君が漁港にいる!??」と驚きました。この魚は水深150〜700mに生息するいわゆる深海魚と言われる魚です。いろいろ調べてみると、どうも幼魚期は深場ではなく浅場に生息しているようで、定置網の漁労屑(水産品として利益にならない生き物)として漁港に捨てられていたものでした。
いかがでしたでしょうか。
6月から9月頃であれば、漁港での岸壁採集というのは充分に楽しむことができます。
流れ藻を狙う際のポイントとしては、
①風向きを確認する。
②伸縮可能な長い網を使う。
③漁師や釣り人等、他の利用者の迷惑にならない範囲で採集を行う。
というところです。
もし流れ藻を狙う場合、陸地に向かって強い風が吹いていたらチャンスです。沖から運ばれてきた流れ藻がたくさん溜まっているかもしれません。逆に、陸から沖に向かって風が吹いている時に行っても、あまり流れ藻は期待できません。なんなら魚も一緒に流れていってしまいます。
また、伸び縮み可能な長い網を使いましょう。おすすめとしては4.5mくらい伸ばせるタモ網がいいです。せっかくいい流れ藻があっても、網が届かなくては意味がありません。
また、岸壁採集が行える漁港は、我々以外にも釣りをしにきてる釣り人や、漁港内で仕事をする漁師の方などたくさんの人がいます。彼らの邪魔にならないようにも、周りに気を配りつつルールを守って採集をしましょう。
6月15日 東京都某自然公園
さて、この日の採集はこれでは終わりません。
岸壁採集が終わった後、そのまま電車に飛び乗り、海がある場所とは真反対の方向に向かってどんどん進んでいきました。
そう、山です。
この日、実は大学の友人から虫捕りに誘われていたので、朝は海、昼は山とまるで二足の草鞋を履くような採集を決行しました。クッソキツかった。でもめっちゃ楽しかった。
目的地に到着し、友人と合流して終電直前くらいまで採集します。
採集成果
ミスジマイマイ(?) Euhadra peliomphala
ミドリカミキリ Chloridolum viride
ヤツメカミキリ Eutetrapha ocelota
オオトラフハナムグリ Paratrichius doenitzi
キマダラカミキリ Aeolesthes chrysothrix
ヒメオビオオキノコ Episcapha fortunei
フタコブルリハナカミキリ Stenocorus caeruleipennis
ヤハズカミキリ Uraecha bimaculata
シーボルトミミズ Pheretima sieboldi
さすが東京都が誇る自然公園、海とは違い歩いてるだけで勝手に生き物が目の前に現れてくれます。
そんな幾多の生き物の中でも私が特に興奮した生き物たちがこちら↓
タカチホヘビ Achalinus spinalis
これは珍しいです。
本土に生息する8種類のヘビ(アオダイショウ、マムシ、シマヘビ、ヤマカガシ、ジムグリ、ヒバカリ、シロマダラ、タカチホヘビ)のうちの一つですが、他7種と比べて生息範囲が狭い(?)ことで知られています。
ミミズを主に主食としているようです。
瑠璃色に光る頭部がとても綺麗ですね。
写真は友人が撮ってくれました。
アカアシクワガタ Dorcus rubrofemoratus
本州ではよく見られるクワガタです。脚の付け根のワインレッド色が特徴的。
この日は同業者(採集家)の人がたくさん来ていましたが、彼ら曰く「この時期にアカアシはかなり早い」そうです。
アゲハモドキ Epicopeia hainesii
見た目はクロアゲハみたいですが、蝶ではなく蛾です。なんのためにこんな姿になったんでしょうかね?アゲハチョウに擬態する必要性はなんなのでしょうか?
生命の進化というものは不思議なものですね。
いかがでしたでしょうか。
普段は海ばかりの採集生活なので山に行くことはあまりないですが、高校時代に虫をやってたのもあって本格的に虫捕りに行くと今でもやっぱり楽しいです。
真っ暗闇の山を下山するのも初めての体験でした。遭難した時の絶望感をダイレクトに感じられて楽しかったです。また行きたい。
※追記
ブログ内で紹介したカタツムリですが、ミスジマイマイではなくヒダリマキマイマイ(Euhadra quaesita)だそうです。
教えてくださった紺碧のだるまさん(@Konpeki_daruma)ありがとうございます😊