生き物と技術のお話

主に海についてや勉強してること、日々の独り言までいろいろなことを書きます。

小笠原遠征を振り返る 3日目

こんにちは、ゆっきーです。

 

小笠原遠征の続きを書いていこうと思います。

 

記事の冒頭からこんなことを言うのもどうかとは思いますが結論から言ってしまうと、この日はとてもしんどかった。

 

「せっかく小笠原まで行ったのにそんなにしんどい思いをしたの?」と母親にも聞かれましたが、まあしんどかった。頭はグラグラするし暑いししまいには気絶するし、なぜ小笠原に来てまでこんな思いをしなければならないんだと運命を呪いました。まあ自分が悪いんだけどね。

 

ちなみにこの日の写真はほとんどないです。そんなもの撮ってる余裕はなかった。

 

小笠原遠征 3日目

 

この日は船釣りをしました。

とある三浦のアングラーくんの一番の目的の小笠原でのジギング。せっかくと言うことで、普段釣りを全くしない僕とKくんも釣りをしてみることに。

 

朝7時。漁港から釣船に乗り、大海原に向けて出船します。

 

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至る所に高く切り立った岩があります。大自然の神秘っぽくて、これを見てるのも楽しいといえば楽しいのだが…………。

 

 

父島の海、特に外洋の特徴はとにかく潮が早い。

特に父島と兄島の間の海は、島同士の間隔が狭いおかげでまるで川の如く凄い勢いであっちからこっちへ水が流れていきます日本三大急流かよ。

それに乗じて船もガンガン揺れます。たってたら普通にバランス取れないし、なんなら座ってても辛い。揺れまくるから酔い止めなんて一切効きません。そして照りつける太陽も相まって、簡単に熱中症+船酔いのダブルパンチを食らいます。地獄かな?

 

そして行う釣りもヘビーでした。荒れる海の上で、250gのジグを150mくらいまで、着底したら落として親の仇の如くシャクり続ける。鉛の塊をそんな深場まで落とすので、水圧もかかって釣竿を持ってるだけでも相当な重さ。感覚的にはロデオマシーンの上で木刀を永遠に振り続けるような感じでした。

釣り好きにとっては夢のような釣りかもしれませんが、ライトユーザーどころかまともに釣りしない僕みたいな人間にとっては就活と同じくらいしんどい行為です。

物は試しということで少しやってみましたが、案の定腕に限界が来て20分でやめました。父島に移住してあれを毎日続ければ多分腕だけザンギエフになれる。間違いありません。

 

さて、そんな書いてるだけでも過酷さが伝わってくる釣りでしたが………。

特にしんどかったことが一つだけありました。

 

何も釣れなかったんです。

 

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厳密にいうと魚自体は釣れたのですが、友人が狙っていたカンパチや、見られたらいいなと思っていた小笠原らしい魚は全く釣れませんでした。

 

一応釣果を貼っていきましょう。


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サメ(未同定)

僕が握っていた餌釣りの竿にヒットしました。イカ短冊を100m下に垂らして待っていたところにガコオンッという重たいアタリがあったと同時に、竿がものすごく重たくなりました。気合でリールを巻きます。

熱中症と船酔いで今にも死にそうな状態で、100m下から凄まじく重たいものを引き上げるのがどれだけ辛いか、体験できる日は後にも先にもないでしょう。時には船上に「休むんじゃねえ!巻け!」とどこからか怒号が響き渡るのを聞きつつ、精神的にも肉体的にも限界を感じながらなんとかリールを巻き続けました。

 

そして上がってきたのが

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サメでした。

「うおおおおお!!すげえ!!サメだ!!!」

めちゃくちゃ興奮しました。しかし………。

 

船にあげられないと判断され、ハサミで仕掛けごと切られてしまいました。

 

「………………」

 

なので種類も分かりませんし、しっかりとした写真もありません。

仕掛けごと切ってしまったので、きっとこのサメは今もフックがついたまま父島の海のどこかを泳いでることでしょう。

全力で引き上げた魚をあげられなかったこと、仕掛けを外してあげられなかったこと、そしてなんて罪深いことをしてしまったんだろうという罪悪感に被さるように熱中症と船酔いの症状が悪化し、

 

その日はもう釣りをすることができなくなり、帰港するまでは船の上で死んだように眠り続けていました。

 

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とある三浦のアングラーくんがスレ掛かりで釣ったバラナガハナダイ(Pseudanthias caudalis)。

後輩に聞いたところ、とても珍しいハナダイだったそうです。欲しがっていたので、持ち帰ってクール便で小笠原から郵送しました。

 

この日の釣果はこれだけです。

船長も「こんな渋い日はそうそうない」と言ってたあたり、運が悪すぎたみたいですね。

 

ただ一言、しんどかった。